疑似トーイン
マイクロマウスにおいて、変則4輪機構を用いると直線が格段に安定します。しかし、その代わりターンが難しくなります。これは、ターン中に構造上摩擦が大きくなるためです。
その対策として、トー角をイン側につけるいわゆるトーインというものがありますが、直進時のトルクのロスが大きい、減速時が不安定になる等により、デメリットの方が大きい(かもしれない)。
そして考えられたのが疑似トーインです(おそらく)。
疑似トーインとはこのようなものです。考察しやすいように誇張しています。
しかし、この疑似トーインは本当に効果があるのでしょうか?地道に考察してみようと思います。
まず、旋回時横Gがかかると荷重移動が起こります。(荷重移動については前の記事で。)さらに、この荷重移動はモーメントなので、前後輪でもバラつきます。図解するとこうなります。なお、図は右旋回時のものです。
静止時の車両自身の荷重も含めると、
こうなります。
結果的に、外前輪と内後輪に荷重がかかります。そして、極端な例をすると、下図のように、旋回軸が変わります。実際は荷重が軽い方のタイヤは、浮いているわけではないため、旋回軸が少し寄った程度になると予想されます。
この図を見る限り、効果ありそうな気がします。(…なんか旋回しやすそう)
あれ?でも、よく見てみると旋回する力が減ってるのでは・・・?
ステアリングで考えると、左に切りながら無理やり右に曲がろうとすることになります。
そもそも、右旋回時、左前輪に荷重がかかる時、幾何的に考えると右後輪よりも右前輪の方に荷重がかかるため、軸は平行に前によるだけと考えることもできます。この場合、後輪の荷重は抜けるため、旋回するときの摩擦は小さくなります。
結局効果があるのかないのかよく分かりません。ここら辺は実際に使っている人に聞いてみるしかありませんね。
あと、私は物理苦手です。(機械科のくせに。)なので、この理論はもしかしたらボコボコ穴があるんじゃないかと思ってます。誰か物理できる人、間違っていると思ったらどんどんコメントください。
長文となりましたが最後まで読んでいただき、ありがとうございます。