コンデンサ ~積セラと電解~
こんにちは。エヌがのです。
今回は最もよく使用されているであろう二種類のコンデンサについて話します。
小型で比較的容量の小さいコンデンサです。実装面積の関係からこれを多用する人が多いです。因みに私もほとんど積セラばかりです。主に高周波のノイズ除去に使われることが多いです。ただ、最近はかなり進化してきたので大容量の積セラもあります。
大型で比較的容量が大きいコンデンサです。主に低周波のノイズ除去や大容量を生かして簡易電源として使用されることが多いです。こいつも進化がめざましいです。
さて、この二つですがどんな違いがあるのかをDCバイアス電圧特性とインピーダンス特性の二つに着目して書いていこうと思います。
・DCバイアス電圧特性
DCバイアス電圧とは、いわゆるオフセット電圧のことを言います。
(参照:http://www.piclist.com/images/www/hobby_elec/pyro1_3.htm)
簡単にいうとただの直流電圧成分のことです。
このDCバイアス電圧特性ですが、下記のような特性となります。
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2012/10/cap_jp15.html)
つまり、直流電圧において積層セラミックコンデンサは電圧が増加するにしたがって容量が減少していきます。なので、積層セラミックコンデンサに大電圧がかかる場所は注意しなければいけません。製品の容量値を鵜呑みにして使用していると、思わぬところで痛い目をみます。
・インピーダンス特性
インピーダンスとはいわゆる合成抵抗値のことです。コンデンサのインピーダンスは次の式で表されます。
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2012/11/cap_jp28.html)
しかし、理想的なコンデンサはこの世に存在せず、以下のような等価直列抵抗(ESR)や等価直列インダクタンス(ESL)が含まれます。
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2012/11/cap_jp28.html)
インダクタンスのインピーダンスは以下の式で表されます。
Z:インピーダンス jw:周波数 C:インダクタンスの容量
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2012/11/cap_jp28.html)
よって、実際のコンデンサのインピーダンス特性はこのようになります。
(参照:http://www.op316.com/tubes/datalib/c-imp-esr.htm)
ある程度の周波数まではコンデンサのインピーダンスが目立ちますが、一定の周波数を超えるとESRが、さらに増加するとESL成分が目立つようになります。
気になるのが積セラと電解コンデンサのインピーダンス特性ですが、このようになります。
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2011/02/cap28.html)
アルミ電解やタンタル電解に比べて、高周波数においては積層セラミックコンデンサのインピーダンスが非常に低いです。
このインピーダンスによって、コンデンサへの電流の流れ込みやすさが変わってきます。つまり、インピーダンスは合成抵抗なので、低いと電流が流れこみやすくなり、高いと流れ込みにくくなります。これはコンデンサの応答に関係してきます。後に書きますが、ノイズ除去効果にも影響します。一般にはインピーダンスが低い方が良いコンデンサとされています。
長々と書きましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
あと1回か2回で終わらせたいと思います。