全日本マイクロマウス大会クラシックエキスパート予選
こんにちは。エヌがのです。
ついに全日本マイクロマウス大会が終わりました。
大会運営関係者、ボランティアの方々お疲れ様でした。今年もテンポ良く大会が進行し、競技者としてもボランティアに参加していた側からしてもとても気持ちのいい大会となりました。
全部終わっての書き込みなのですが、1日づつ記事を分けて書こうと思います。
私はクラシック競技エキスパートクラスに出場しました。結果は以下になります。
最高タイム:00:12:259(決勝進出)
全日本大会でのエキスパートクラスは初で、とりあえず目標は決勝進出でしたので目標は達成されました。やったね!!
しかし今回の走行、じつは探索走行しか成功しておりません。最短走行は全くダメでした。おそらく、迷路が難しすぎたせいかと・・・・。
今回の迷路は、ほとんど袋小路なし、直線なし、足立方だと連続スラローム地獄・・・となっており、探索するにも最短するにもとても難しい迷路でした。なので、探索だけはやけに速い私のマウスが偶然にも決勝へ行けてしまったということです。まあ運が良かったというべきですね。来年はちゃんと最短走行もできるよう精進したいと思います。
ひとつ気になるのが、私本番はかなり上がっていてさらにどんな判断だといわんばかりのことをやっていました。この判断が少しでもマシだともう少しタイム伸びたと思う。
第1走行:普通に全面探索。しかし割と早めにこけてしまう。このままマップ情報が残っていてもたいして最短に影響しなかっただろう。
第2走行:なぜか第1走行のマップを全部消去。そしてただの足立法の重ね探索を行った。アナウンスでは消えてしまったと言っていたがこれは自分で消した・・・。実は全面探索のコケた後の処理をやっていないので誤った壁情報が書き込まれるというのを恐れての消去。だが今回にかぎってはあまり全面探索していないのでどのみち影響はないはず。
第3走行:時間も走行回数もなかったので第2走行で得られたマップ情報のみで最短走行を決行。みごと壁に激突。ここで明らかにマッピングしてない区画へ行っていることに気が付かなかった。
第4走行:第3走行は実はちょっとした仕様で機体を置く場所を間違えてしまったのでそれの影響で第3走行はこけたのかと思い、第4走行も同じパラメータで走行。しかしこのときにやっとマッピングしてない区画を機体が通っていることを確認。しかし時すでに遅し。
第5走行:再現性がないバグだと信じて同じパラメータで走行。この時もっと速い探索走行で行けばよかった。そもそも2回も再現性が出てるんだから再現性が出ないわけがない。
とまあすごく後から思い返せば公開と反省ばかりで、去年インターフェイスあたりはもっと見直そうと思ったのに全然生かされていませんでした。本番の上がり症はどうしようもないので、普段から本番を想定した走行を考えておくべきでした。
後から気付いたのですが、実は迷路の最短走行経路導出プログラムにバグがあり、普通は未探索壁は壁ありとして考えるところを、西方向は壁なしとなっていました。普段から全面探索ばかりしているツケがきました。やはり本番を想定して色々試行錯誤が必要なことを実感しました。
全日本大会直前
こんにちは。エヌがのです。
とうとう全日本マイクロマウス大会まで3日となりました。そろそろできる事も限られソフトの最後の調整へと望む時期となってしまったのですが、私はといいますと絶賛メカの改善中です。
この4号機作成当初から足回りのメカの出来が非常に悪く、
・4点接地しない。ガタガタ上下に振動してる。
・ホイールが偏心している。ギアがうまく咬み合わない。
・モータマウントと基板の固定が甘い
となっている状況で早急に作り直しが必要でした。
モータマウントの固定については接着なりで後でどうとでもなるためホイールの作り直しにとりかかりましたが、これが1ヶ月かかりました。
左:改善後 右:改善前
見ての通り内歯車と外歯車の両刃歯車となっており、もちろん既成品などないので自分で加工。大学の施設の放電加工機と汎用旋盤、汎用フライスを使い、大学の加工場の職員さん達とあれやこれやと相談し、作っては工程を変え、作っては工程を変え・・・とようやく満足のいくものができました。
一応重量も各ホイール1gの軽量化となっていて、合計4gほどの軽量化に成功。ホイールの偏心については0.02mmほどに抑えられました。ただ、ギアのバックラッシがきつくなったのでモータマウントを再び切り出し。こちらは1日で終了。そして現在に至ります。
幸い、全日本大会と大学の学祭が重なっており、準備期間として明日明後日が休日になっているので持てる力をふりしぼってソフトの調整にとりかかります。
全日本大会、決勝いけたらいいなあ・・・・。
2014年メイズコンテスト
こんにちは。エヌがのです。
11月9日日曜日に名古屋大学で開かれたメイズロボットコンテストに参加してきました。
マイクロマウスは一時放り投げ、寝るのも惜しみロボットを製作しておりました。さすがに1週間ずっと修羅場ってたのは今年初めてです。クタクタです。
一応初参加ということで精一杯やることはやったのですが、機体特性と練習量不足で結果は完走ならず。ロボットの手動操作は難しいです。
とりあえず、ロボットの紹介。
中華の怪しいサイトで極小のモータを購入し、なんとか駆動部を同軸にしようとギアを使用しました。スペックなどは以下になります。
ロボット名:Resin
サイズ:9.5×10×7mm
電源:Lipo 2cell
減速比:1:1
筐体材質:POM
コントローラはこちら。
基板加工機で片面1層回路を削り出し、残りは皮膜線を使用し作成しました。特に凝る所はなかったので、回路作成、プログラミングは2日もかからずに完成。
使用マイコン:RX62T 3.3V
モータドライバ:TB6612FNG
当初はLipo 1cellで駆動予定だったため3.3Vのマイコンを使用しましたが、結局トルク不足になったため2セルへ換装。
反省として、機体が軽すぎて、コントローラと繋いでいた皮膜線に引っ張られ、すぐに転ぶわ曲がらないわでした。次は真鍮で重くしなくては。
超小型のロボットを作成したのはなかなかいい経験になりました。ただ、手動機なので自分のコントローラさばきが重要になってきます。なので、コントロールしやすい機体を作成し、制御で補うというかたちで、ただ限界スペックを求めればいいわけではないということを実感しました。
マイクロマウス全日本大会まであと2週間。こっからはマウス漬けの毎日ですね。
学生大会終了
こんにちは。お久しぶりです。エヌがのです。
学生大会に出場してきました。結果は11位とお察しです。探索しかできませんでした。
東日本、東北、学生大会と続いて後輩と1位違いなのでとてもやばいです。先輩の威厳とかそのへんが。
いまのところ、関西大会、東日本、東北、学生大会と出場していますが、今シーズンでまだ最短走行を成功させていない。これは非常にまずい。
原因は制御。シーズンオフ中はメカと回路と新規性の追求に費やし、メカに関しては未だ改善中。そのため制御がおろそかになり、ターンの速度が上がらず、直進の制御もダメダメ。あまつさえサーキット競技さえ完走できていない。
外堀を埋めにかかった結果、みごと中身がないマウスに仕上がっているという状況です。なんか去年も同じことやってますね。
学生大会の最短走行の経路を出してみました。
白い経路がいろいろ考慮した最短で、水色っぽいのがただの足立法(だったはず)です。
直進がやたら優先されているのはおそらくターンの速度があまり出てないからだろう。あと、時間の評価がまだきっちりとできていないこともあります。
しかしこの経路の出し方はまだまだ未完成で、直進のあとの長い斜めがでにくいです。まあ、計算等が1秒もかからないためマイコンと競技時間にやさしい。この先もこの路線で行きたいのですが、性能の限界が見えたら分岐を検知して何百通りもの経路をつくるやり方に行くかもしれません。
学生大会は結果はでないもののマウスのポテンシャルは高いと言われたので、がんばって制御してみようと思います。やってないことや甘いところはいくらでもあるので。
次は全日本に向けて頑張るぞ!!
基板到着
こんにちは。エヌがのです。
発注していた基盤が到着しました。発注した会社はELECROWです。ELECROWに発注したのは初めてです。今まではFusionPCBに発注していましたがこちらの方が安いということで試してみました。
一見して、青の色合いがFusionPCBよりもELECROWの方が濃く、ドリルの精度はどちらとも変わらないという印象でした。
今回は、モータドライバをディスクリート部品で自作し、電源周りを強化のためにレギュレータを5つ乗せております。
私としては今回の回路は傑作です。特に配線の密度と電源周りはこれでもかと詰めました。配線詰めるといつも何かしら不具合がでるので悪い予感しかしないが・・・
最近は足回りの加工をしております。何か面白いことできないかなあと考え、こんなものを作りました。
さらに、追加工をし、
ホイール一体型アルミギアを製作いたしました。一応これだけではなく、アルミなのでアルマイト染色もしてみました。
M0.3のギアってアルマイトできるんですね・・・いやはやすごい。アルマイトに関しては、ロボメカで日頃アルマイトアルマイト言ってる人がいるので、「こんなのあるだけどアルマイトしてくれない?」と持ち掛け、やってみてもらいました。
比較。光沢がないのでパッと見アルミに見えない。
今回製作したギアは、
- モジュール:0.3
- 歯数:68、48
- 材質:A7075(超超ジュラルミン)
となっております。
加工やってる場合じゃない!!ソフトやらねば!!とか言いつつ、加工にこだわっちゃってます。精度に関しても未知数なのでまともな機体になるかどうか・・・。
ソフトの方でも最近はいろいろやってて、ターン軌道生成のシミュレータはほぼできあがっていて、EXCELを使わずにログを通信でとりながらグラフ化するツールを作り、最近はPIDゲインのセルフチューニングシステムをファジィ推論を使って作成しております。なにかと外堀ばかりで中身に移れてないのが現状・・・。
モータドライバテスト
こんにちは。エヌがのです。
今回はコンデンサの話ではないです。前に燃やしたモータドライバの再テストをしました。
久しぶりのはんだで、結構腕が鈍っていることを痛感しました。やはり定期的にはんだはやらなければどんどんはんだ能力が落ちていく。
こちらが実験風景。性懲りもなくリポ電池でテストしております。接続端子が小さいので安定化電源つなぐのは難しかった・・・。いや、めんどくさかっただけです。
IN端子にPWMが、ENABLEにHを、さらにGNDがつながっていることを確認しテスト基盤に接続し・・・・。
モータが回りました!!
波形がこちらです。
少しノイズが激しいですが、コンデンサ入れてないのでこんなものかと。とりあえずFETの発熱はなさそうで、テストは成功かなっと。
最後に、入力波形と出力波形のタイミングを見てみました。
デッドタイムがおよそ15nsほど。FETの立ち上がりが予想より若干遅いのが気になるところですが、FETの発熱はないので大丈夫でしょう。・・たぶん。・・・きっと。
次のマウス4号機はこのモータドライバを使ってみます。モータドライバは焼けるものなので多少不安がありますがそこは予備基盤作るなりなんなりするしかない。
4号機は1331Tモータを使うつもりなので自作モータドライバを使用するメリットはあまりないのですが、せっかく作ったんだから乗せなきゃということで・・・。後で後悔するのは分かっている。
コンデンサの話はようやく技術交流会でやった内容からいうと半分くらいです。確かもっと薄っぺらい内容だったはずなのに補足情報を入れていくといつの間にか4回では終わりそうもないくらいになってしまいました。下手するとあと4回くらいやります。気の済むまでやります。時間あれば。
コンデンサ ~ESRの影響~
こんにちは。エヌがのです。
今回はリップル電圧や許容リップル電流、ESRの影響について話をしていこうと思います。電圧平滑効果に関係する話です。
・リップル電圧
リップル電圧とは、DCバイアス電圧からの変動電圧のことです。主にFET等のスイッチング時に変動が大きくなるためスイッチング周波数に同期して変動します。ノイズ成分として扱われることが多いです。
(参照:https://www.nipron.co.jp/product_info/technical_dictionary/1_4.htm)
・リップル電流
リップル電流は、コンデンサの変動電流のことです。コンデンサは電荷を放電、蓄電する素子であり、このとき流れ込んだり流れ出したりする電流をリップル電流と言います。実際のコンデンサには、並列や直列に抵抗成分があるため、リップル電流が発生すると発熱します。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
この発熱はコンデンサの負荷となり、一定値を超えるとコンデンサが破損します。破損しないためのリップル電流の許容値を許容リップル電流値や最大リップル電流値と呼びます。
一般的に、許容リップル電流が高いコンデンサはESRが低いことが多いです。
・電圧の負荷変動
IC等が電流を大量に消費すると、電源に負荷がかかります。このとき、電源が電池の場合でもレギュレータICの場合であっても、瞬時に電流を供給することができません。そのため、回路に負荷がかかり電圧が下がります。これが大きなリップル電圧(ノイズ成分)となります。このリップル電圧を平滑させるためにコンデンサを使用します。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
電源から瞬時に電流が供給されないため、コンデンサから電流を供給します。これによって電圧変動が抑えられ、リップル電圧は低減されます。しかし、コンデンサはESL成分やESR成分が含まれるため、理想的な特性は得られません。
・ESR(等価直列抵抗)による電圧変動
今回の場合では、ESR(等価直列抵抗)成分の影響を考えます。ESL(等価直列インダクタンス)成分による影響は少ないので今回は省略します。
ICが電流を消費し、コンデンサがこの電流を供給する場合、ESRによる電圧変動が生じます。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
コンデンサが貯めた電荷を放電するとき、ESRに電流が流れます。この時、電圧はESRによって消費され電圧が降下します。これは、放電だけではなく充電時にも起こる現象です。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
この現象により電圧変動を抑えるためのコンデンサが逆に電圧変動を激しくしてしまいます。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
上図は比較的ESRが高いコンデンサの容量毎の電圧特性です。この図より、容量を上げると平滑化が進みますが、ESRの影響により、無視できないほど大きいリップル電圧が発生していることがわかります。
下図はESRが比較的低いコンデンサの特性です。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
このような特性から、ESRが低いコンデンサの方が平滑能力が高いことが分かります。
今回はESRに焦点を当てて電圧平滑能力について書きました。最後にESRが低ければ低いほど良い平滑能力が得られると結論づけていますが、現実はもっと複雑で、ESRが低すぎることによって生じる問題もあります。ただ、ESRによってこのような特性があることは確かなので、参考にしていただくと幸いです。
また長々と書きましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。なんだがまだ書き足りなさそうなので2回くらいコンデンサのことを書く予定です。