2014年メイズコンテスト
こんにちは。エヌがのです。
11月9日日曜日に名古屋大学で開かれたメイズロボットコンテストに参加してきました。
マイクロマウスは一時放り投げ、寝るのも惜しみロボットを製作しておりました。さすがに1週間ずっと修羅場ってたのは今年初めてです。クタクタです。
一応初参加ということで精一杯やることはやったのですが、機体特性と練習量不足で結果は完走ならず。ロボットの手動操作は難しいです。
とりあえず、ロボットの紹介。
中華の怪しいサイトで極小のモータを購入し、なんとか駆動部を同軸にしようとギアを使用しました。スペックなどは以下になります。
ロボット名:Resin
サイズ:9.5×10×7mm
電源:Lipo 2cell
減速比:1:1
筐体材質:POM
コントローラはこちら。
基板加工機で片面1層回路を削り出し、残りは皮膜線を使用し作成しました。特に凝る所はなかったので、回路作成、プログラミングは2日もかからずに完成。
使用マイコン:RX62T 3.3V
モータドライバ:TB6612FNG
当初はLipo 1cellで駆動予定だったため3.3Vのマイコンを使用しましたが、結局トルク不足になったため2セルへ換装。
反省として、機体が軽すぎて、コントローラと繋いでいた皮膜線に引っ張られ、すぐに転ぶわ曲がらないわでした。次は真鍮で重くしなくては。
超小型のロボットを作成したのはなかなかいい経験になりました。ただ、手動機なので自分のコントローラさばきが重要になってきます。なので、コントロールしやすい機体を作成し、制御で補うというかたちで、ただ限界スペックを求めればいいわけではないということを実感しました。
マイクロマウス全日本大会まであと2週間。こっからはマウス漬けの毎日ですね。
学生大会終了
こんにちは。お久しぶりです。エヌがのです。
学生大会に出場してきました。結果は11位とお察しです。探索しかできませんでした。
東日本、東北、学生大会と続いて後輩と1位違いなのでとてもやばいです。先輩の威厳とかそのへんが。
いまのところ、関西大会、東日本、東北、学生大会と出場していますが、今シーズンでまだ最短走行を成功させていない。これは非常にまずい。
原因は制御。シーズンオフ中はメカと回路と新規性の追求に費やし、メカに関しては未だ改善中。そのため制御がおろそかになり、ターンの速度が上がらず、直進の制御もダメダメ。あまつさえサーキット競技さえ完走できていない。
外堀を埋めにかかった結果、みごと中身がないマウスに仕上がっているという状況です。なんか去年も同じことやってますね。
学生大会の最短走行の経路を出してみました。
白い経路がいろいろ考慮した最短で、水色っぽいのがただの足立法(だったはず)です。
直進がやたら優先されているのはおそらくターンの速度があまり出てないからだろう。あと、時間の評価がまだきっちりとできていないこともあります。
しかしこの経路の出し方はまだまだ未完成で、直進のあとの長い斜めがでにくいです。まあ、計算等が1秒もかからないためマイコンと競技時間にやさしい。この先もこの路線で行きたいのですが、性能の限界が見えたら分岐を検知して何百通りもの経路をつくるやり方に行くかもしれません。
学生大会は結果はでないもののマウスのポテンシャルは高いと言われたので、がんばって制御してみようと思います。やってないことや甘いところはいくらでもあるので。
次は全日本に向けて頑張るぞ!!
基板到着
こんにちは。エヌがのです。
発注していた基盤が到着しました。発注した会社はELECROWです。ELECROWに発注したのは初めてです。今まではFusionPCBに発注していましたがこちらの方が安いということで試してみました。
一見して、青の色合いがFusionPCBよりもELECROWの方が濃く、ドリルの精度はどちらとも変わらないという印象でした。
今回は、モータドライバをディスクリート部品で自作し、電源周りを強化のためにレギュレータを5つ乗せております。
私としては今回の回路は傑作です。特に配線の密度と電源周りはこれでもかと詰めました。配線詰めるといつも何かしら不具合がでるので悪い予感しかしないが・・・
最近は足回りの加工をしております。何か面白いことできないかなあと考え、こんなものを作りました。
さらに、追加工をし、
ホイール一体型アルミギアを製作いたしました。一応これだけではなく、アルミなのでアルマイト染色もしてみました。
M0.3のギアってアルマイトできるんですね・・・いやはやすごい。アルマイトに関しては、ロボメカで日頃アルマイトアルマイト言ってる人がいるので、「こんなのあるだけどアルマイトしてくれない?」と持ち掛け、やってみてもらいました。
比較。光沢がないのでパッと見アルミに見えない。
今回製作したギアは、
- モジュール:0.3
- 歯数:68、48
- 材質:A7075(超超ジュラルミン)
となっております。
加工やってる場合じゃない!!ソフトやらねば!!とか言いつつ、加工にこだわっちゃってます。精度に関しても未知数なのでまともな機体になるかどうか・・・。
ソフトの方でも最近はいろいろやってて、ターン軌道生成のシミュレータはほぼできあがっていて、EXCELを使わずにログを通信でとりながらグラフ化するツールを作り、最近はPIDゲインのセルフチューニングシステムをファジィ推論を使って作成しております。なにかと外堀ばかりで中身に移れてないのが現状・・・。
モータドライバテスト
こんにちは。エヌがのです。
今回はコンデンサの話ではないです。前に燃やしたモータドライバの再テストをしました。
久しぶりのはんだで、結構腕が鈍っていることを痛感しました。やはり定期的にはんだはやらなければどんどんはんだ能力が落ちていく。
こちらが実験風景。性懲りもなくリポ電池でテストしております。接続端子が小さいので安定化電源つなぐのは難しかった・・・。いや、めんどくさかっただけです。
IN端子にPWMが、ENABLEにHを、さらにGNDがつながっていることを確認しテスト基盤に接続し・・・・。
モータが回りました!!
波形がこちらです。
少しノイズが激しいですが、コンデンサ入れてないのでこんなものかと。とりあえずFETの発熱はなさそうで、テストは成功かなっと。
最後に、入力波形と出力波形のタイミングを見てみました。
デッドタイムがおよそ15nsほど。FETの立ち上がりが予想より若干遅いのが気になるところですが、FETの発熱はないので大丈夫でしょう。・・たぶん。・・・きっと。
次のマウス4号機はこのモータドライバを使ってみます。モータドライバは焼けるものなので多少不安がありますがそこは予備基盤作るなりなんなりするしかない。
4号機は1331Tモータを使うつもりなので自作モータドライバを使用するメリットはあまりないのですが、せっかく作ったんだから乗せなきゃということで・・・。後で後悔するのは分かっている。
コンデンサの話はようやく技術交流会でやった内容からいうと半分くらいです。確かもっと薄っぺらい内容だったはずなのに補足情報を入れていくといつの間にか4回では終わりそうもないくらいになってしまいました。下手するとあと4回くらいやります。気の済むまでやります。時間あれば。
コンデンサ ~ESRの影響~
こんにちは。エヌがのです。
今回はリップル電圧や許容リップル電流、ESRの影響について話をしていこうと思います。電圧平滑効果に関係する話です。
・リップル電圧
リップル電圧とは、DCバイアス電圧からの変動電圧のことです。主にFET等のスイッチング時に変動が大きくなるためスイッチング周波数に同期して変動します。ノイズ成分として扱われることが多いです。
(参照:https://www.nipron.co.jp/product_info/technical_dictionary/1_4.htm)
・リップル電流
リップル電流は、コンデンサの変動電流のことです。コンデンサは電荷を放電、蓄電する素子であり、このとき流れ込んだり流れ出したりする電流をリップル電流と言います。実際のコンデンサには、並列や直列に抵抗成分があるため、リップル電流が発生すると発熱します。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
この発熱はコンデンサの負荷となり、一定値を超えるとコンデンサが破損します。破損しないためのリップル電流の許容値を許容リップル電流値や最大リップル電流値と呼びます。
一般的に、許容リップル電流が高いコンデンサはESRが低いことが多いです。
・電圧の負荷変動
IC等が電流を大量に消費すると、電源に負荷がかかります。このとき、電源が電池の場合でもレギュレータICの場合であっても、瞬時に電流を供給することができません。そのため、回路に負荷がかかり電圧が下がります。これが大きなリップル電圧(ノイズ成分)となります。このリップル電圧を平滑させるためにコンデンサを使用します。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
電源から瞬時に電流が供給されないため、コンデンサから電流を供給します。これによって電圧変動が抑えられ、リップル電圧は低減されます。しかし、コンデンサはESL成分やESR成分が含まれるため、理想的な特性は得られません。
・ESR(等価直列抵抗)による電圧変動
今回の場合では、ESR(等価直列抵抗)成分の影響を考えます。ESL(等価直列インダクタンス)成分による影響は少ないので今回は省略します。
ICが電流を消費し、コンデンサがこの電流を供給する場合、ESRによる電圧変動が生じます。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
コンデンサが貯めた電荷を放電するとき、ESRに電流が流れます。この時、電圧はESRによって消費され電圧が降下します。これは、放電だけではなく充電時にも起こる現象です。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
この現象により電圧変動を抑えるためのコンデンサが逆に電圧変動を激しくしてしまいます。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
上図は比較的ESRが高いコンデンサの容量毎の電圧特性です。この図より、容量を上げると平滑化が進みますが、ESRの影響により、無視できないほど大きいリップル電圧が発生していることがわかります。
下図はESRが比較的低いコンデンサの特性です。
(参照:https://www.yuden.co.jp/jp/product/tech/basics.pdf)
このような特性から、ESRが低いコンデンサの方が平滑能力が高いことが分かります。
今回はESRに焦点を当てて電圧平滑能力について書きました。最後にESRが低ければ低いほど良い平滑能力が得られると結論づけていますが、現実はもっと複雑で、ESRが低すぎることによって生じる問題もあります。ただ、ESRによってこのような特性があることは確かなので、参考にしていただくと幸いです。
また長々と書きましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。なんだがまだ書き足りなさそうなので2回くらいコンデンサのことを書く予定です。
コンデンサ ~積セラと電解~
こんにちは。エヌがのです。
今回は最もよく使用されているであろう二種類のコンデンサについて話します。
小型で比較的容量の小さいコンデンサです。実装面積の関係からこれを多用する人が多いです。因みに私もほとんど積セラばかりです。主に高周波のノイズ除去に使われることが多いです。ただ、最近はかなり進化してきたので大容量の積セラもあります。
大型で比較的容量が大きいコンデンサです。主に低周波のノイズ除去や大容量を生かして簡易電源として使用されることが多いです。こいつも進化がめざましいです。
さて、この二つですがどんな違いがあるのかをDCバイアス電圧特性とインピーダンス特性の二つに着目して書いていこうと思います。
・DCバイアス電圧特性
DCバイアス電圧とは、いわゆるオフセット電圧のことを言います。
(参照:http://www.piclist.com/images/www/hobby_elec/pyro1_3.htm)
簡単にいうとただの直流電圧成分のことです。
このDCバイアス電圧特性ですが、下記のような特性となります。
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2012/10/cap_jp15.html)
つまり、直流電圧において積層セラミックコンデンサは電圧が増加するにしたがって容量が減少していきます。なので、積層セラミックコンデンサに大電圧がかかる場所は注意しなければいけません。製品の容量値を鵜呑みにして使用していると、思わぬところで痛い目をみます。
・インピーダンス特性
インピーダンスとはいわゆる合成抵抗値のことです。コンデンサのインピーダンスは次の式で表されます。
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2012/11/cap_jp28.html)
しかし、理想的なコンデンサはこの世に存在せず、以下のような等価直列抵抗(ESR)や等価直列インダクタンス(ESL)が含まれます。
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2012/11/cap_jp28.html)
インダクタンスのインピーダンスは以下の式で表されます。
Z:インピーダンス jw:周波数 C:インダクタンスの容量
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2012/11/cap_jp28.html)
よって、実際のコンデンサのインピーダンス特性はこのようになります。
(参照:http://www.op316.com/tubes/datalib/c-imp-esr.htm)
ある程度の周波数まではコンデンサのインピーダンスが目立ちますが、一定の周波数を超えるとESRが、さらに増加するとESL成分が目立つようになります。
気になるのが積セラと電解コンデンサのインピーダンス特性ですが、このようになります。
(参照:http://www.murata.co.jp/products/emicon_fun/2011/02/cap28.html)
アルミ電解やタンタル電解に比べて、高周波数においては積層セラミックコンデンサのインピーダンスが非常に低いです。
このインピーダンスによって、コンデンサへの電流の流れ込みやすさが変わってきます。つまり、インピーダンスは合成抵抗なので、低いと電流が流れこみやすくなり、高いと流れ込みにくくなります。これはコンデンサの応答に関係してきます。後に書きますが、ノイズ除去効果にも影響します。一般にはインピーダンスが低い方が良いコンデンサとされています。
長々と書きましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
あと1回か2回で終わらせたいと思います。
コンデンサ ~特徴~
こんにちは。エヌがのです。
ブログが完全にマウス日記となってますので、たまには技術ネタを書きます。(新作の進捗なんてなかった・・・)
先週の日曜に行われた東日本マウス月例会の技術交流会にてコンデンサについての発表を行いましたのでそれについて書きたいと思います。
さて、意外と見逃されがちなコンデンサですが、まずはどんな特徴を持っているのでしょうか。
・ノイズの除去
多くのコンデンサはこのノイズの除去に用いられます。
(参照:http://ednjapan.com/edn/articles/1205/22/news060_3.html)
コンデンサを下記のように電源ラインとグランドに繋ぎ、電源ラインにあるノイズをグランドへ逃がします。
(参照:http://ednjapan.com/edn/articles/1205/22/news060_3.html)
このような使われ方をするコンデンサを、デカップリングコンデンサまたはバイパスコンデンサと呼ばれます。
・簡易電源
コンデンサは電荷を貯めておくことができる素子です。そのため、充放電が可能であり、簡易な電源として用いることができます。
モータドライバ等大電流を必要とする回路の近くに大容量のコンデンサを設置します。これにより、モータドライバ回路が必要な電流をすぐ近くのコンデンサから得ることができます。リポ等の電池は一度に大量の電流を流すと、電圧が急激に落ちてしまいますので、これを防ぐ役割にもなります。
・フィルタ回路
コンデンサはある一定の周波数の電圧を除去または通すことができます。そのため、高周波を取り除くハイパスフィルタ回路や低周波を取り除くローパスフィルタ回路に使用されます。
(参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/ハイパスフィルタ)
RCハイパスフィルタ回路
(参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/ローパスフィルタ)
RCローパスフィルタ回路
少し長くなりそうなので3,4つに分けて説明していこうと思います。
次は積層セラミックコンデンサと電解コンデンサについてお話ししようと思います。